中東緊迫がリスク
ただ金の下落が今後も続くかは不透明だ。足元はシリア情勢の緊迫化で「有事の金」が買われている。売りに傾斜すると思わぬ損失を招く可能性がある。世界主要22の金ETF(上場投資信託)の運用資産残高は7月末で1922トンと前月末比で68トン減った。減少幅は5月末の135トン、6月末の104トンと縮小している。ETF残高の減少が金の下落を主導しただけに、先安観が薄れたともいえる。金の「売り」への投資は、相場の再上昇リスクに十分留意する必要がありそうだ。
(編集委員 浜部貴司)
9/4 日本經濟新聞