国際的な金の調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は20日、2014年第1四半期(1~3月)の世界の金需要について報告書を公表した。
国別の最大消費国の中国の需要量は263.2トンで前年同期比18%減少した。金相場の下落を受けて地金やコインへの投資が半減した。インドも輸入規制の影響で減少。タイは政情混乱にともなう消費の冷え込みで56%減の24.5トンと大幅に減った。
一方、日本は消費増税前の駆け込みで、前年同期比5倍の8.2トンになった。ETF(上場投資信託)は国別の統計とは別枠で集計。2014年1~3月の統計では減少が一服していることもあり、世界の総需要は1074トンと前年同期(1077トン)とほぼ同水準になった。
ただ4月以降もETFからの資金は流出傾向にある。住友商事グローバルリサーチの高井裕之社長は「中国は需要が足元で伸び悩んでいるが、インドは新政権が発足し輸入規制が緩和される可能性がある」としている。
5/21 日本經濟新聞